適度な距離の一体化「sandwich apartment」

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sandwich apartment, 池田雪絵大野俊治 一級建築士事務所 池田雪絵大野俊治 一級建築士事務所 Rumah Gaya Eklektik
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家族と離れて単身で暮らすということは、誰にでも起こりうる少なくない経験のひとつです。今回、単身でもあるお施主さんは3.11事故の後、「誰かと共に住まい、高度な社交性を必要とせず、見守り機能を持ちながらも、一つの場所を緩やかに共有する自由な住み方」というスタイルの住宅にしたいと考えたそうです。 近年ではシェアハウスのようなリビングや台所、浴室等を共有し、各住人の個室をプライベート空間とする共同生活が増えていますが、玄関入って既に他人がいるのでは、顔を合わせてしまうことで「近い」と感じることも。そこで、もう少し個々のプライベートを離し、顔を合わせるのは時々、でも「共同体」という意識の生まれる住宅スタイルは他者と程よく住まうことが可能ではないでしょうか。そこで池田雪絵建築設計事務所が提案した住空間、適度な距離感、互いに支えあいささやかな共有スペースを持つ、「sandwich apartment」をご紹介します。

サンドイッチとなって一体化

敷地は近年ポツポツと空き家が目立つ日当りの良い住宅地。ひとつの敷地に三つの建物が少しずつスライスするかのようにセットバックしながら建つ本住宅は見た目はサンドイッチそのものです。少しずつずらすことにより、繋がりはあるものの、はっきりとした境を感じる事が出来ます。そして本住宅に住まえば、一定の距離の中に互いに支えほとんあうような一体感があります。

入口の互い違い

両端の白い建物に支えられる真ん中の住居の入り口は住宅下部の通り抜けをぬけた裏手に位置します。それによって互いに干渉することのないアクセスになります。住宅下部の通り抜けは、また集いの場ともなるオープンスペースになり、風通しの良い軽やかな互助の場です。

住宅スペース1

箸の住宅2階部分の空間は細長い長屋のような室内。白とフローリングのシンプルな内装にシルバーのキッチンがスタイリッシュな印象に。上階から落ちてくる採光と正面の採光によって程よく明るく、住み心地のよい空間です。白の階段フレームや造作家具なども白でまとめられており、清潔感を感じられます。

住宅スペース2

真ん中にサンドイッチされた箇所の住宅の内観です。両端の住宅と比較すれば1ルームにロフト付といった間取りです。こちらも長屋のような細長い空間です。コンパクトなキッチンは小ぶりだけど対面式で単身住まいには勝手の良いサイズ。ロフトにもトップライトが設けられていることから暗くなりがちな空間をそっと照らしてくれます。

住宅スペース3

こちらは最後の端の住宅1階部分です。モルタル仕上げの土間空間はシューズインでも可能です。少し洋風スタイルな空間は室内を飾るのがワクワクしそうです。また正面に見えるスケルトンの浴室も違和感なく空間へ溶け込んでいます。個々の部屋を見ても室内に居るときはまるで小さな一軒家のように分断された空間に、そして同じ敷地にサンドイッチしながら建つ本住宅は緩やかな繋がりを感じ、程よい距離を持って互いを支えあうことができるでしょう。

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