Ruang Keluarga by 松下建築設計 一級建築士事務所/Matsushita Architects

日本家屋の伝統を手本に、山と月を臨む家

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2013年に「和食」がネスコ無形文化遺産に登録されましたよね。それは「和食」という食文化が自然を尊重する日本人の心を表現し、伝統的な社会慣習として受け継がれているという評価が得られたからだそう。日本家屋だって文化遺産など登録されている建物はいくつかあるように、その伝統的な日本独自の空間は後世に繋げていきたいものです。登録されて「終わり」というには寂しいですよね。今回ご紹介するのは、隣家に囲まれる山と月が綺麗に臨める7人家族の住宅です。一級建築士事務所松下建築設計が提案するのは、建具などの開閉で空間を一体化したり分離するなど、使い分けの出来る日本家屋の特徴を現在の普及技術に置き換えた構成とする事でした。住まう人が触れる空間は質感や素材を大事に考えた、心地よい空間が生まれました。

木目の気持ちいい外観

どんと目に飛び込むのは木目の美しい杉板張りの外観。その住宅の前を通るだけでも杉の香りを楽しむことが出来そうなほど、惜しみなく住宅を覆います。まだ、どことなく周辺に馴染み切れていないような杉板は、まだまだ真新しく、若さを感じます。いずれ経年変化とともにその風貌は周辺へしっくり収まるはずです。

庭を囲う家

玄関アプロ―チを歩き敷地内を進んでいくと、左手に現れるのは意図的に一方向を向いた一階縁側。庭を囲うようにして開く開口のその先には美しい地元の山と月が臨むことが出来るのだそう。7人家族が並んで座ってもまだゆとりのありそうなほどの開口は鉄骨造だからこそ得られるもの。

山と月を堪能する

リビングダイニングから庭を跨いで臨む山並み。もちろん昼間なのでその月の姿はまだ見ることはできませんが、昼間の青々した山並みに、リビングの大開口に注ぐ太陽はゴロリと大の字で寝そべりたくなるような特等席です。寝そべれば、住宅の構造を忘れてしまうほど、床や柱、天井に建具など、木の温もりを全身で感じる事が出来ます。夜になれば空を照らす優しい月明かりと、薄っすら見えるだろう山の輪郭は、家の明かりを消して眺めたいものです。

外と内が繋がる空間

大開口によって繋がる内部と外部。庭をはさんで玄関アプローチを見通す開口は来客にも社交的な空間になります。室内と室外を跨いでくつろげるリビングは、夏の夜は手持ち花火や水浴び、バーベキューを楽しむことが出来ます。広びろとしたダイニングエリアも家族の顔が見渡せる吹き抜けもあって風や光の通る開放的な空間です。そして外周に設けた6本の柱によって家族の変化に対応できるようにと壁を操る事がかのうなフレキシブルな空間でもあります。

大収納と二階吹き抜け

キッチン脇から駆け上がる階段見下げ。広い吹き抜けは一階の縁側まで見通せます。階段を上がればそこには吹き抜けを囲うように設置された収納壁が。7人家族、それぞれの持ち物がしっかり納める事が出来る大容量の収納です。住宅にとって収納力は大事なポイントでもあります。共用の空間に設置することで、互いに物を共有したり、新たな情報交換のような機能としてコミュニケーションも増えそうです。

目線を変えて楽しむ山と月

二階の木テラスに立てば近隣の街並みと遠くに見える山並みが気持ちいい、地元の景色が楽しめます。一階縁側の真上に位置するこのテラス、もちろん夜には月を臨むことが出来ますし、一階から見る景色とはまた一味違った、月に一歩近づいたような、そんな風景を眺められるでしょう。ただ住まうだけでなく、その土地の良さや景観、自然を楽しむ住宅となりました。

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