新旧が共存する大らかな木の住まい

Michiko JUTO Michiko JUTO
富田林の家, 井上久実設計室 井上久実設計室 Rumah Modern
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時を経て醸し出す味わいを持つ古いものと現代のライフスタイルに合った新しいものが共存する住まいって理想的ですよね。ご紹介するのは井上久実設計室が手がけた自然の素材を生かした住宅。クライアントの希望で敷地に建っていた既存建屋の家具や照明器具、そして庭石や植栽を取り入れた心地良い住まいが生まれました。

既存の植栽を継承した庭

場所は閑静な住宅街にある敷地で以前からある手入れの行き届いた植栽を継承した庭と瀟洒な佇まいがひと際目立つ住まいです。前面道路に面して設けられた庭と駐車スペースによって建物はセットバックされ、奥行きを感じさせる住まいです。

ラスティックな雰囲気の木の外観

グレイッシュなカラーで塗装された木板を縦に貼った外壁と大屋根の軒下に見られる連続する垂木がラスティックな雰囲気を醸し出しています。玄関アプローチに置かれた庭石は既存のものでしょうか、存在感のあるオブジェとしてエントランス空間を引き締めています。

抜け感のある玄関廻り

玄関を入ってみましょう。手入れがされた植栽や庭石と共に通りの反対側のグリーンまで視線が抜けていきます。外壁と同材の仕上げを内部まで引き込むことで連続性を作り出した玄関ホールは、天井も高く内部から外の軒下まで構造材が延長しているのが見え、より一層一体感を感じさせます。また玄関上部のハイサイドライトからはたくさんの採光を取り入れ、玄関廻りを明るく包みこんでいます。玄関土間から続くたっぷりの収納も機能的。

大らかな天井が包み込むそれぞれの居場所

建物の中央あたりにリビングダイニングを設け、その周りに4畳半ほどの居室を注意深く配置しています。そうすることで方角を配慮したり外の風景を最大限に取り入れ、豊かな住空間を作り出しています。さらに個室どうしを小さなアルコーブ状のスペースを設け、新旧それぞれの家具を設える場所を確保。傾斜するダイナミックな天井がそれぞれの空間や居場所を大らかに包み込み、距離感を持ちながらも程よいまとまりを感じさせます。杉板仕上げの壁と白い壁が入れ子構造のような深みのある空間を感じさせますよね。

変化に富んでいながらもどこかほっとする住空間

自然素材がほっとする雰囲気を作りながらも様々な色彩やマテリアルが調和する住空間は変化に富んだシーンも提供。ダークな木板に囲まれた畳のスペース、そしてモルタルの床で仕上げた個室は白い壁で囲まれ、明るい空間に。その間のアルコーブには味わいのあるソファがぴったりと収まっています。アルコーブ側に設けたニッチには何が飾られているのでしょう。反対側は出っ張り、隣の空間にユニークな繫がりを作り出しています。「土間空間のあるヴィンテージ風の平屋の家」も味わいのある古いエレメントを取り入れた住まい。是非ご覧下さいね。

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