猫と住む三角屋根の二世帯住宅

Michiko JUTO Michiko JUTO
猫と住む二世帯住宅 OUCHI-40, 石川淳建築設計事務所 石川淳建築設計事務所 Ruang Keluarga Minimalis
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三角屋根がシンボリックなこの住まいは完全分離型の二世帯住宅。お子さんのいる夫婦とお母さんそして2匹の猫という家族構成のための住まいです。スキップロアがもたらす変化のある空間構成や庭の風景を切り取る大きな開口が印象的なこの住宅を手がけたのは石川淳建築設計事務所。さっさく見ていきましょう。

ひと際目立つ三角屋根の外観

横浜市内の密集した住宅地に計画された二世帯住宅は、隣家と同様に建物をセットバックさせ街並みに馴染むように配置させています。「イエ」を象徴する三角屋根を取り入れた可愛らしい外観が人目を引きます。正面ファサードは2重になっており親世帯のエントランスを配置。二重になった外壁には開口を設け、お母さんが庭の風景を室内から楽しめるように配慮。「ロッジアのある三角屋根の大らかな住まい」もシンボリックな形態が目を引く住宅です。是非ご覧ください。

完全分離型の玄関

道路側は2台分の駐車スペースを確保し一部を庭に。駐車スペースに沿って設けたアプローチを進むと建物左側が子世帯の玄関です。親世帯の開口から洩れる暖かな光が建物を浮かび上がらせ控えめながらも存在感のある佇まいを見せ、同時に温かみのある雰囲気を街路に作り出しています。

テラスのような玄関ポーチ

正面ファサードの内側の半屋内的な部分に親世帯の玄関ポーチを収めています。内部空間を隔てる床から天井までの大きな開口を設けていますが、道路からは程よい距離があり、また目の前には緑豊かな庭木があるので周囲からの視線もあまり気になりませんね。

奥行きを感じさせる空間構成

縁側のようなポーチと繋がる親世帯のLDKです。コンパクトなキッチン周りはウッドフロアそして団らんの場には縁なしのモダンな畳を採用。その隣は寝室が配置され、引き戸で間仕切り可能になっています。外部空間からだんだんプライベートな空間へと層を重ねる空間構成によって奥行きを感じられるメリハリのある住空間が生まれました。

畳の寝室

寝室としての和室にはスリット状の開口を設け、プライベート感のある落ち着いた空間を演出。引き戸を開ければLDKと玄関ポーチを介して素敵な庭の風景を室内の奥にいても楽しめるようになっています。比較的天井の高いLDKには化粧梁を現し、ラスティックなテイストを取り入れたゆったりとした雰囲気が印象的です。

土間空間のアトリエと繋がる土間玄関

子世帯を見てみましょう。奥は土間玄関で手前の薄いコンクリート床の部分は奥様のための陶芸アトリエ。モノトーンでまとめたシンプルなデザインが目を引きます。そして黒っぽいエレメントは式台の役割をしつつ階段室との仕切りのレールを設置した敷居でもあります。真っ白な階段は2階のLDKへ。アトリエ上部のインナー窓はスキップロアで構成される寝室と繋がっています。

キャットウォークのあるLDK

階段に沿って設けられたキャットウォークはそのままLDKの壁伝いに続きます。白で統一した壁と天井と共に一体感を作り出し、インテリアの一部となっています。三角屋根の形状が現れた高い天井が大らかな雰囲気を醸し出す明るく開放感溢れるLDKです。リビングエリアにはトップライトとベランダを設け、一層広がりを感じさせる空間を演出。

高い天井とトップライトそしてベランダがもたらす開放感

オーダーキッチンも白で統一し、ファニチャーライクなデザインを採用することで生活感を感じさせないお洒落な空間を作り上げています。階段の上部はさらに天井を高くし、トップライトを設置。都市型住宅として有効な採光の確保をすると同時に、雰囲気のある豊かな空間になっています。2つの方向に設けたベランダは抜け感をもたらし、密集した住宅地にありながら明るく開放感の感じられる住まいが生まれました。

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