吹き抜けのある素敵な住まいをつくりたいけれど、具体的にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?近年建てられる家で多く取り入れられている吹き抜けの住宅空間を見ていきましょう!今回は、吹き抜けのある住まいのメリットとデメリットをご紹介していきます。
吹き抜けをつくることで風通しの良さが期待できます。吹き抜けをつくることにより、低い窓からの空気が高い窓へ流れていくことで自然換気を促すことが出来ます。こちらはHAN環境・建築設計事務所が手がける日射遮蔽や採光、通風、排熱などの自然の恵みを活かすパッシブデザインの仕組みを取り入れた住まいです。さらに、メリットをより活かすよう天井に空気を撹拌する為のシーリングファンを設置すれば、部屋の空気を循環させることが出来るので快適な室内環境をつくることができます。
クレジット: 撮影:吉田誠
【パッシブハウスについては、こちらの記事でも紹介しています】
吹き抜けをつくるメリットの一つに、自然と明るい室内環境をつくる点が挙げられます。高い窓から差し込む光によって部屋の奥の方まで自然光を取り入れることが出来るようになり、家の隅々まで日のあたる明るい住まいを考えている場合は、非常に効果的です。特に、南側に大きな建物が立地していて採光に不利な住宅密集地や都市部の環境の住まいに最適です。
Photographer:Torimura Koich
吹き抜けはメリットは、二階との連続した空間にあります。空間全体に緩やかな繋がりを持たせることが出来るので、どこにいても家族の気配を感じることが出来ます。またリビングに吹き抜けを設ければ、家族の団欒の声や食事の匂いを感じて、家族が自然とリビングに集まる時間を増やしてくれます。さらにこちらのように、リビングに階段を設ければ、より家族の距離が近い生活動線をつくることができますね。
▶「住まいの写真」ページでは様々な種類のリビングを紹介しています。◀
吹き抜けの最大のメリットは、非常に開放感のある大きな部屋をつくることができる点にあります。吹き抜けをつくることにより、1階と2階のスペースが連続し、自ずと天井が高くなります。さらにこちらのような大空間の天井に、ランダムに設けた明り取りは、採光に有利なだけでなく、光がリズム感を空間につくり、光と影が素敵なリビングを演出してくれます。
天井の高い開放感のある空間は魅力的ですが、一方できっちりとした冷暖房の効率計算が問われます。冬は1階で温めた空気が2階部分へ抜けて行きますし、夏は夏で熱気はすべて2階部分へ上がって行き、2階はサウナの様に暑くなるといったデメリットを防ぐために、しっかりと家全体での冷暖房の計画が必要となります。
クレジット: 撮影:吉田誠